第4.3条 契約の成立 第4.3条は、EDIを使用して締結される契約が成立したとみなされる時期を明確にのべている。契約成立の時期を決定することは、多くの場合、法律上重要である。郵便または電話によって締結される契約に関する規則は一般に定められているが、EDIによって締結される契約については、不明確な点がある。「協定書」によって確立された規則は、取引当事者の予見可能性と期待を保証する。 申込の承諾として発信された「メッセージ」が、第3.1条に従って受信されたとき、第4.3条に基づいて契約は成立する。この「受信の原則」(reception rule)は,現在使用されている各国または地域のモデル協定書の条項および現行のEDI取引慣行にも一致している。 第5章 データ内容の要件 第5.1条 秘密性 商取引における情報交換では、取引相手の業務に関する秘密データの通信を必要とすることが多い。通常では、基本取引協定書(underlying agreements)がこのようなデータの処理方法に関する当事者の義務を明確にする。適用される国内法が、情報の秘密性の処理に関する義務を明確にする場合もある。電子的な形の情報の秘密性の処理が他の媒体によって通信される情報の場合となんら変わりないことを当事者が保証することか望ましい。 本条では、特に別段の指定がない場合は、「メッセージ」の内容は秘密でないものとみなす。取引当事者は, 「技術的附属書」に指定された「メッセージ」または特別な「メッセージ」に含まれる情報の秘密性を特定することができる。 第5.2条 法律の遵守 本条は、「メッセージ」の内容を明確に規定または制限する国内法令の遵守を保証するために、両当事者が業務を行う方法に関する指針を規定する。なお、ある種の法律(データ保護法等)は、特定の情報について国境を越える通信を制限している。 第5.2.1条は、「メッセージ」の内容がその当事者に関連するすべての法的要件に従っているという保証を、各当事者に対して要求している。「保存」(storage)という用語は、すベてのメッセージに含まれるデータの保存を意味し、メッセージを保存する方法を意味するものではない。
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